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水なし平版
水なし平版とは、湿し水を使用しない平版印刷（平版オフセット印刷）のことです。通常の平版印刷では、非画像部分にインキが付着しないように版面を湿らせる湿し水が必要となりますが、インキを弾く性質のあるシリコーンゴムが全面に塗られた版面を使い、現像する行程で画像部分のシリコーンゴムを取り除くことで、画像部分にのみインキを付着させることが可能となり、湿し水を使わずに印刷をすることができます。水なし平版は基板に感光性樹脂を塗られているPS版のひとつとされており、一般的にはオフセット印刷方式で使われています。印刷時に湿し水を使用すると、湿し水が変動することでドットゲイン（印刷された網点がより大きく見える現象）が起きたり、印刷濃度が変化したりといったトラブルが発生することがありますが、水なし平版を使った印刷では湿し水を使用しないため、安定した仕上がりとなります。そのようなメリットから、高品質な仕上がりが期待される印刷には、水なし平版を使用した水なし印刷の方法が選ばれることが多いのです。仕上がりのクオリティが高く失敗が少ないことで、生産性も向上します。また、水なし平版を使うことで、現像の際に環境に悪影響を及ぼす有害な廃液を排出することがなくなるため、環境にも優しい印刷が可能になります。
▼関連用語
平版印刷
